防火地域・準防火地域で木造店舗を建てるための注意点
防火地域や準防火地域として指定されているエリアであっても、木造建築による店舗を建てることは可能です。ただし木造店舗の規模に応じた耐火・準耐火性能の確保など一定の条件もあるため、まずは防火地域や準防火地域における木造店舗の建築条件やコストの考え方について把握しておきましょう。
規模別・求められる性能の早見表
防火地域や準防火地域では建築基準法61条・62条にもとづいて、建物の階数や面積などの規模に応じて耐火建築物や準耐火建築物にしなければならないといった基準が定められています。
防火地域内における建築物の基準
| 面積による基準 | 延べ面積100㎡以下:準耐火建築物等 100㎡超:耐火建築物等 |
|---|---|
| 階数(地階含む)による基準 | 3階以上:耐火建築物等 2階以下:準耐火建築物等 |
準防火地域内における建築物の基準
| 面積による基準 | 延べ面積500㎡以下:防火構造等で木造可 500〜1500㎡以下:準耐火以上 1500㎡超:耐火建築物等 |
|---|---|
| 階数(地階含む)による基準 | 4階以上:耐火建築物等 3階かつ延べ面積1500㎡以下:準耐火建築物等 2階以下かつ500〜1500㎡以下:準耐火建築物等 2階以下かつ500㎡以下:防火構造等で木造可 |
2019年改正「延焼防止建築物」で選択肢が広がった
建築基準法の改正(平成30年改正・令和元年6月25日施行)により、建築基準法61条において建物の性能規定に関する要件が、「耐火建築物であること」から「同等以上の延焼防止性能を満たすこと」へ変更されました。
これにより柱や壁、床といった建築物の部分について「政令で定める技術的基準に適合するもの」という条件を満たすことで、建材としての木材使用の可能性が生まれており、また外壁の開口部で延焼リスクのある部分についても適切な防火性能を備えた設備にすることで設計の範囲が広がっていることは重要です。
木造で耐火性能を確保する3つの方法とコスト
木造で耐火性能を確保しながら店舗を建築する方法としては、例えば以下のような方法があります。
なお、実際の条件や性能については必ず事前にメーカーや店舗建築を考えている地域の自治体などへ確認するようにしてください。
石こうボード等で覆うメンブレン型
木造建築物において構造躯体へ使用される木材を、強化石こうボードなどの防火被膜で完全にカバーすることで、発火・燃焼のリスクを抑えるという技術があり、これを「メンブレン型(メンブレン型耐火構造・準耐火構造)」と呼びます。
| 意匠性 | 低い |
|---|---|
| コスト | 安い |
| 対応可能な地域・階数 | 防火被覆の厚さなど耐火性能によって異なる |
燃え止まり層を設ける燃え止まり型
燃焼リスクのある部分などにおいて、木材の外側へモルタル層や難熱処理木材を使った「燃え止まり層」を設けて耐火性能を高める方法です。内側は木材の魅力を活かした意匠などに利用できる反面、コストや加工の手間などがかかります。
| 意匠性 | 木材現しが可能 |
|---|---|
| コスト | デザインなどによって異なる |
| 対応可能な地域・階数 | 燃え止まり機構の効果など耐火性能によって異なる |
鉄骨内蔵型
構造に鉄骨材を使用しつつ、その表面を木材で覆って意匠性を高める方法です。
| 意匠性 | 高い |
|---|---|
| コスト | 高い |
| 対応可能な階数 | 国土交通大臣認定の耐火性能により防火地域での3階・4階建てなども建築可能 |
意匠とコストの関係
基本的に、耐火性能を確保しつつ、木材の部分を見せて木の魅力を意匠に反映させようとするほど、建築コストは高くなります。
なお実際の建築コスト(坪単価)には他にも複数の条件が影響するため、木造店舗の費用相場やコスト節約の方法については以下のページをご確認ください。
防火地域より先に確認すべき「用途地域」
防火地域や準防火地域における耐火性能の基準をクリアしたとしても、実際にどのような建築物を建てられるかについては「用途地域」の条件によって制限されます。
| 用途地域 | 店舗建築の制限 (延床面積など) |
|---|---|
| 第一種低層住居専用 | 延床面積50㎡以下かつ延床の1/2未満 |
| 第二種低層 | 150㎡以下 |
| 第一種中高層 | 500㎡以下 |
| 第一種住居 | 3,000㎡以下 |
| 工業専用地域 | 店舗不可 |
防火地域・準防火地域でも木造店舗は実現可能
防火地域・準防火地域でも木造建築による店舗を建てることは可能です。ただし規模や設計など条件があるため、実際に当該エリアで木造店舗を建築しようと考える際は、あらかじめ信頼できる専門家へ相談してしっかりと計画を作成するようにしてください。
(株式会社アールシーコア)

BESSは、長年培ってきた“ほかにはない”技術とデザインで、木のクセや個性をそのまま活かし、暮らしを“遊ぶ”ための圧倒的な個性ある空間を創出します。ログハウスなどの木造建築に加え、アプローチやデッキといったランドスケープまで一体で設計し、建物単体にとどまらない世界観を実現しています。
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