【特集】CLTログハウスとは?
そもそもCLTってなに?
なぜ今注目されているの?

CLTはCross Laminated Timber(クロス・ラミネーティッド・ティンバー)の略称で、ひき板(ラミナ)を繊維方向が直交するように積層接着した木質パネル建材です。壁や床、柱、屋根としてそのまま組み立てることが可能。コンクリート並みの強度で、高層の建物にも活用することができます。
CLTは1990年代にドイツで開発され、欧米を中心にマンションや商業施設の壁や床、構造体として使われてきました。日本では、2013年から一般利用が開始。近年はCLTを活用した建築物が増加しており、2024年度には累計1,300件を超える見込みです※。
さらに、大阪・関西万博でも日本館や海外パビリオンなどに採用され、持続可能な建材として大きな注目を集めています。
林業や木材産業の活性化に貢献

CLTが注目されているのは、単に新しい建材だから、というわけではありません。 大きな理由は、林業・木材産業の活性化に貢献できる可能性があるからです。CLTは集成材の一種のため、あまり太くない木や節の多いもの、製造過程で生じる端材など、これまで活用できなかった木材を活用することができます。
原料として国産材を使用することで、林業や製材業の発展にも役立ちます。というのも、日本には戦後多くの木が植林され、それらが今本格的な利用期に突入しているのです。森林を健全な状態で保つためには、木に光が当たるように間伐し、間伐した木材を利用し、植え直して整備しなくてはなりません。こうした間伐材をうまく活用することで、森林の適切な管理や新たな植林が行えるようになります。
木造建築といえば戸建て住宅、中高層ビルは鉄骨や鉄筋コンクリート造というのが主流でした。しかし、近年木造高層ビルが急増。横浜市の「Port Plus」や銀座のヤマト本社ビル、銀座中央通りの「HULIC &New GINZA 8」など、オフィスビルを中心にさまざまな木造ビルが誕生しています。
CLTログハウスとは

CLTを使ったログハウスは、従来の丸太を積み上げるタイプとはかなり印象が違います。工場で作られた大判の木質パネルを組み合わせて建てるこの方式は、木のぬくもりを残しながらも、耐震性や断熱性といった現代の住宅に求められる性能をしっかり確保できます。
1. 高い構造性能

CLTは、板を直交するように重ねて接着した構造になっていて、「面」としての強度があるのが特徴です。そのため、昔ながらの丸太組み構法に比べて、耐震性・耐火性ともに優れていて、大型の建物への応用も可能になっています。
従来の木造建築では法律上、防火地域で2階までしか建築ができませんでしたが、CLTログハウスは「90分準耐火構造認定」を取得することで、3階までの中層ビルを建築することが可能。住宅はもちろん、幼稚園や介護施設など非住宅などでの「CLT ログハウス」の活用が進んでいます。
2. 断熱性・気密性に優れる

CLTパネル自体が厚く、木材本来の断熱性能を活かすことができます。さらに、接合部が高精度に加工されているため、隙間ができにくく、従来の丸太積みよりも気密性の高い住空間が実現できます。結果として、室内の快適さも維持しやすくなります。
3. 施工が早く、天候にも左右されにくい
CLTパネルはあらかじめ工場でプレカットされており、現場ではパネルを組み立てるだけ。施工は比較的スピーディーで、天候の影響も受けにくいため、工期の短縮につながります。何より、現場での人手や時間を減らせるのが大きなメリットです。
4. デザインの自由度が高い
CLTはパネル化されているため、ログハウスでありながらも現代的なデザインや間取りに対応可能です。そのため、住宅としてだけでなく、宿泊施設や店舗など、様々な用途での活用が進んでいます。木造建築の枠を超えて、使い方の幅が広がっている印象です。
CLTによる木造建築は
今どう進化しているのか?
建材の強度が向上!
技術で欠点を解消
木材には一本一本太さや形、強度が違う、燃えやすく腐ってしまう、など建築には不向きな特徴がありました。しかし近年は、この欠点を克服する技術を開発。建材の強度や寸法安定性が向上し、大規模建築にも使用できるようになりました。
例えばCLTは、強さが異なる木材を小さく分解して再構成。積層する繊維の方向を工夫することで、安定した強度を実現しています。
「木材=燃えやすい」は
過去の話
木材の耐火性能を高める技術も開発されています。集成材に耐火被覆を施したり、木材に鉄骨を内蔵したりして、木の燃え方をコントロールする方法です。
木材は火災で燃えますが、表面から内部へ燃え広がるにつれて、酸素が足りなくなり燃えにくくなります。この特性を活かして木材に厚みを持たせることで、内部を守ることが可能です。以下にある動画はその実験結果です。
CLT耐火実験の結果、1時間連続で燃焼させても貫通しないことが実証された。
デジタル技術の活用
デジタル技術の活用もポイントです。3D設計や、構造解析ソフトを使用した耐震・耐火設計、CAD/CAMを連携して複雑な形状の加工ができるようになっています。これにより、従来の「職人の技」や「手作業」ではできなかったデザインや技術を提案できるようになっています。
CLTログハウスの
“普通の木造”とのちがい
ログハウスとは、丸太や角材を水平に積み重ねて建てられた木造建築のことです。CLTログハウスは、従来のログハウス工法にCLTを組み合わせた木造建築のこと。従来のログハウスでは、一本の木をそのまま使うため長尺材を確保するのが困難でした。しかし板材(ラミナ)を積層・接着させて作るCLTなら長尺材を作ることが可能。これを利用して大型非住宅に対応することができます。
CLTログハウスと“普通の木造”との違いは、耐震性や耐火性、デザインの自由度です。特にデザインは、従来の木造建築では難しかった大空間やモダンなデザインなどを実現することが可能です。
日本初!防火地域での
3階建てCLTログハウス事例
東京都福生市に建設された「ブル ビーチ ビル」は、日本で初めて防火地域に建てられた3階建ての純木造中層ビルです。ログハウス「BESS」を主宰する株式会社アールシーコアが設計・施工を担当しました。
ログハウス×CLTの組み合わせ
でどう空間が変わったか
「ブル ビーチ ビル」は、1階は同社事務所、2~3階は賃貸住居となっており一般に貸し出しています。竣工数カ月で満室になるほどの人気の集合住宅。
当初はRC造での建築を考えていましたが、木材の優しい雰囲気に惹かれてCLTログハウスに変更。コストもRC造より安く、木材利用に関する補助金が充実している点が魅力でした。木造のため、地盤改良にかかるコストを大幅に削減。補助金を活用して、太陽光パネルなど設備のグレードアップも図りました。
木材をふんだんに活用すること自体がSDGsへの貢献につながる点が大きな魅力。当ビルのCO₂の固着量は、杉の木260本分に相当するそうです。まるで森を再生しているような感覚です。
CLTログハウスの
よくある質問と回答
ここでは、CLTログハウスについて多く寄せられる質問と回答をご紹介します。詳しく知りたい方は、ぜひCLTログハウスを提供している株式会社アールシーコアに問い合わせてみてください。
Q.CLTは高いの?
A.はい。新しい建材のため一般的な木造構造材より費用は高めです。まだ事例が少なく、取り扱っている建築士や施工会社が少ないこともコストが高くなる理由の一つです。
ただし、建物のプランやCLTの使用部位によって予算に合わせた提案をすることが可能。また、CLTを使った建造物には国や都道府県がさまざまな補助金制度を設けています。うまく活用することで費用を抑えて建設することができるでしょう。
Q.木なのに
耐火ってどういうこと?
A.CLTは火災時に表面に炭化層をつくり、この層が防御壁のように働くことで燃焼が内部へ進むのを遅らせます。その結果、CLTを用いた建物は火災時に急激に崩壊するリスクを抑えられるのです。
Q.メンテナンスは
大変じゃない?
A.木材でつくられているため、風雨で吸水したりカビが発生したり、紫外線で変色したりする恐れはあります。木を現わしで使用しているため、数年に1回、外壁塗装を行う必要があります。しかし、適切に設計・施工されていれば、特別メンテナンスが大変というわけではありません。定期的な点検とメンテナンスを行うことで、長期にわたって耐久性を維持することができます。
Q.どのくらい自由設計できる?
A.CLTパネルは強度が高い上、厚さや長さも調整できるため、比較的自由に設計することが可能です。大開口の空間や凹凸のあるデザイン、勾配屋根、丸窓、高天井など、従来の木造建築やRC造ではできなかった設計を行えます。
空間づくりのヒントはここにある。
無垢材のぬくもり、空間の開放感、そして訪れる人の感性に働きかける設計思想。それは、宿泊施設やリゾート、店舗、教育・福祉施設、さらには都市型の集合住宅まで、あらゆる非住宅建築に広がっています。
「自分たちの事業でも活かせるかもしれない」と感じた方は、ぜひ一度、BESS(アールシーコア)にご相談ください。あなたの描く空間に、“木だからこそ実現できる価値”を加えるお手伝いができるかもしれません。
当メディアでは、木造施設の魅力や可能性を、BESS(アールシーコア)監修のもと多角的に紹介しています。空間づくりに向き合うすべての方へ、選択肢のひとつとして木造建築の価値をお届けできれば幸いです。
